第5回 議員シンポジウム(2019/9/25)

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もう野党連合政権の経済政策が出来るのでは? 第5回「99%経済政策フォーラム」: アベノミクスに対抗する経済を語ろう

「野党の経済関係議員と市民の政策シンポジウム」2019年9月25日(水)衆議院第二議員会館)

5野党の議員が横並びで、経済政策について熱く議論する珍しいシンポジウムを開催しました。衆議院選挙、及びその先の連合政権を目指し、アベノミクスに対抗する経済政策をどうするのか、個人の立場で自由に論じていただきました。

写真左から、①柿沢未途(社会保障を建て直す国民会議 衆議院議員)、②横田昌三( 社民党 政策担当常任幹事)、③宮本徹(日本共産党 衆議院議員)、④源馬謙太郎 (国民民主党 衆議院議員)、⑤落合貴之(立憲民主党 衆議院議員)、⑥鈴木国夫(「99%のための経済政策フォーラム」代表)
写真左から、①柿沢未途(社会保障を建て直す国民会議 衆議院議員)、②横田昌三( 社民党 政策担当常任幹事)、③宮本徹(日本共産党 衆議院議員)、④源馬謙太郎 (国民民主党 衆議院議員)、⑤落合貴之(立憲民主党 衆議院議員)、⑥鈴木国夫(「99%のための経済政策フォーラム」代表)

↑野党議員が肩を並べて経済を論ずる姿、いいですね


 冒頭、重要会議のため出席できなくなった泉健太衆議院議員(国民民主党政調会長)が短いスピーチをされ、後半は源馬謙太郎衆議院議員に引き継がれました。四つのテーマ(①賃金を上げる方策、②社会保障、③公正税制改革、④財政政策)について、5名の議員から、個人の立場で活発な意見表明がなされました。れいわ新選組の山本太郎氏は全国遊説で来られなかったので、司会から政策を紹介する形と致しました。

 会場には、立憲民主党の福田昭夫衆議院議員(2012年、消費税増税に反対)、大河原雅子衆議院議員、杉尾秀哉参議院議員、高井崇志衆議院議員、立憲民主党・無所属フォーラムの伊藤俊輔衆議院議員が参加されました。また秘書参加として、立憲民主党の山尾志桜里衆議院議員、松田イサオ衆議院議員、道下大樹衆議院議員、石橋みちひろ衆議院議員、落合貴之衆議院議員の秘書の方々が来られました。延べ参加者数は110名、報道関係は5社でした。

議員の方々が、自分の言葉で経済を語る姿がとても新鮮でした。

(1)国債発行への慎重さの違いはありましたが、家計を大事にする経済再建という方向性は一致していました。野党連合政権の経済政策のベースが出来つつあるのではないでしょうか。

(2)「共通政策で一つの党になる」のではなく、「手を繋いで同じ方向へ走る」という共闘の方向も見えてきました。

 

*今回、ペットボトルを配ることは止めて、紙コップに1リットルの紙パックからお茶を注ぐ方式としました。チコちゃんにも、グレタさんにも叱られないように、出来ることから実行しましょう。



動画記録

IWJのダイジェストはこちら

 

Part1:「賃金を上げるには」

https://youtu.be/1KKLnRGtW3U

Part2:「社会保障」

https://youtu.be/JK3Mq5dSSk0

Part3:「税制改革」

https://youtu.be/kATBoTGKWcQ

Part4:「財政政策」

https://youtu.be/XiXLU00JtKw

質疑応答:

https://youtu.be/9UkLWiXcdgA

 

Part2以降は音声が小さくて済みません。文字記録もお読みください。

  

ダウンロード
活発な発言の記録です。野党議員の皆さんにはプリントしてお配りします。
99%F経済政策シンポの発言記録(2019-9-25 写真付).pdf
PDFファイル 730.9 KB


さて、下記の回答をした議員さんは誰でしょうか?

 

会場からの質問: 公正な税制改革に対し、大企業や官僚の抵抗も予想されますが、理解と協力も必要です。これに対しての方策と覚悟は? 

 

回答: これ(富の極端な偏在を野放しにする税制)は世界的な問題であって、遅かれ早かれどの国も取り組まなければならない問題である。抵抗があるからといって先送りしていけば、その先に私たちが払うツケはもっともっと大きくなる。そしてそれによって犠牲になる人は、もっと多くなる。

 

(注)最も野党に求めたい核心的な質問でした。ご指名だったので、この議員さんが回答しましたが、今回の議員シンポジウム全体の帰結であったとも云えます。


(おまけ資料) 仮想・こうすれば出来る「連合政権の経済政策」

前述の各党の経済政策で、各党のスペースが多く割かれている部分を、仮にですが「特長」とみなして組み合わせてみました。➀各野党の政策の方向性がほとんど見事に一致しているだけでなく、②各政党が独自の得意・強みを生かしてかけあわせれば強力な連合政権を実現できることを示しています。(細目は各党政策から加工せずに引用しています)

 

1.賃金を上げて家計消費を拡大します(立憲民主党の経済政策から引用)

・中小零細企業への支援を拡充します。 

・5年以内に、最低賃金の1300円への引き上げを目指します。

・官民の非正規雇用をできる限り正規雇用化し、ワーキングプアを解消・介護・医療・保育分野の賃金の引き上げ 

・残業代の完全支払い。みなし残業の禁止

・農業者戸別所得補償による農業者の所得底上げ

 

2.社会保障を立て直します(社民党・社会保障を立て直す国民会議の政策。下記政策は社民党の経済政策から引用)

・医療・介護の自己負担や保険料の増大を止めます。国公立病院の統廃合や民営化に歯どめをかけ、地域の拠点病院を守ります。

・市町村の国民健康保険制度を立て直します。削減してきた国庫支出の割合を元に戻します。滞納の保険証取り上げをやめさせます。

・患者の自己決定権を尊重し、最善かつ安全な医療をすべての人が必要な時に受けられる医療制度を確立するため、「医療基本法」の制定に取り組みます。

・要支援者・軽度者サービスの保険給付外し、訪問介護・通所介護などの利用制限など、

繰り返される介護サービスの縮小をやめさせます。介護利用料の2割負担、3割負担の撤回を国に求めます。

・利用料、保険料の減免制度に取り組みます。

・特別養護老人ホームを増設し、「介護難民」の解消に取り組みます。特養建設に対する国庫補助を復活させるとともに、用地取得などの支援を行います。

・介護報酬を引き上げるなど、介護従事者の賃金の引き上げと処遇改善を図ります。

・基礎年金の「マクロ経済スライド」による抑制を中止します。

・年金支給年齢の引き上げに反対します。

・年金積立金運用比率拡大に反対します。

・「最低保障年金」を創設し無年金、低年金問題の抜本的解決を目指します。

 

3.子育て支援政策・教育政策を充実させます(国民民主党の経済政策から引用)

子育てを支援する「子供国債」を発行します。

・待機児童解消のため、保育園と放課後児童クラブを増やします。

・保育士や学童保育職員の賃金を上げます。

・0~2歳の幼児教育・保育無償化の所得制限をなくし、完全無償化を目指します。

・児童手当の対象を現行15歳から18歳まで引き上げ、給付額も一律1万5千円に拡大します。

・給食費を無償化します。

・児童虐待防止のため、親が子供を懲戒できる民法規定を見直します。児童福祉司を増員します。

・給付型奨学金を拡充します。

 

4. 消費税に頼らない財源を確保します(日本共産党の経済政策から引用)

消費税に頼らない財源確保の概要 

 

財源規模

項目別の内訳

 

1、大企業優遇税制を是正し、中小企業並みの負担を求める

4.0兆円

研究開発減税の廃止

0.67兆円

「賃上げ減税」の振り替え(注)

0.38兆円

その他大企業向け特別措置の縮減

0.3兆円

受取配当益金不算入制度・外国子会社配当益金不算入制度の見直し

2兆円

連結納税制度の廃止

0.66兆円

2、富裕層優遇税制を是正する

3.1兆円

富裕層優遇の証券税制の見直し

1.2兆円

最高税率の引上げ・控除の見直し

1.9兆円

3、「思いやり」予算などの廃止

0.4兆円

米軍への「思いやり」予算など

0.22兆円

米軍再編経費(辺野古基地など)

0.17兆円

合計

7.5兆円

 

 

 (注)賃上げ減税の財源は、最低賃金引上げのための中小企業の社会保険料軽減の財源に充てる。

 

5. 歯止めのある反緊縮・好循環経済政策(財政支出と財源)により、くらしも景気も税収も良くします(れいわ新選組の経済政策から引用)

 

・コンクリートも人も~本当の国土強靭化、ニューディールを~

公共投資は雇用や防災を考えれば必要不可欠。防災対策、水道、鉄道などに国が主導し積極的に支出します。

・お金配ります~デフレ脱却給付金・デフレ時のみ時期を見て~

この政策なら、確実にデフレを脱却できます。

一人当たり、月3万円を給付。二人世帯なら月6万円、4人ならば月2万円…。インフレ率(物価上昇率)2%で終了、デフレ期に入ったらまた再開します。

・財源はどうするの?~デフレ期にしかできない財政金融政策~

日本総貧困化を防ぐためには、まとまった財源が必要です。

財源は税収…が一般的ですが、れいわ新選組はデフレ期には別の財源も活用します。

新規国債の発行です。確実に足りない分野と人々に、大胆に財政出動を行い、生活を支え積極的に経済を回します。経済成長すれば当然税収は増えます。

 

国債発行は無限ではありません。リミットがあります。インフレ目標(物価上昇率)2%に到達するまでです。到達後、金融引き締めで増税まで必要な場合は、税の基本(応能負担)に還り、法人税にも累進性を導入します。